投資信託

投信解体新書!ローリスクハイリターンな投信の見分け方を直伝しちゃいます。その3

シャープレシオを使った投信評価方法

 

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いよいよ今回から、シャープレシオを使った投信評価の方法についてご紹介していきたいと思います。

まず第5回「標準偏差の計算方法」で例示した、投信Aと投信Bを、シャープレシオを使って評価してみましょう!

【ケース1】 リターンは同じ投信だが、シャープレシオは・・・

投信Aと投信Bは、年平均リターンが、どちらも10.0%でした。

一方、それぞれの標準偏差は、投信Aが20.6%、投信Bが8.0%でした。

 

この二つの投信を比較すると、シャープレシオはBが「1.25」で、Aの「0.49」を大きく上回っていることがわかります。

リターンとリスクの関係を上のようなグラフ上で比べても、投信BのほうがAよりも左に位置しています。

つまり、投信Bのほうが運用が上手な投信で、少なくとも長期運用を考えているならば投信Bを選ぶべきだといえるでしょう。

投信Aと投信Bではリターンが同じなので、シャープレシオによる比較を行わないとしても、ブレの小さめな投信Bを選ぶ人の方が多いだろうという気もするのですが、リターンが投信Bよりも高い投信が他にあれば、過去の実績(リターン)で選ぼうと考えている方はそちらを選択するのではないでしょうか。

 

そこで、年平均リターンが12%の投信C と、ケース1の勝者であったリターン10%の投信Bを比較してみることにします。

 

【ケース2】 リターンが異なる2つの投信を比較する

 

新たに登場した、投信C の過去5年間のリターンは以下の通りだったとしましょう。

 

<投信C のリターン>

1年目  +26%

2年目  - 6%

3年目  +19%

4年目  - 2%

5年目  +23%

年平均リターン   +12.0%

 

年率標準偏差を計算すると、 13.3%となりました。

 

 

 

※超低金利であることから、ここでは無リスク利子率をゼロとして計算

 

投信C は、年平均リターン12.0%と、投信Bの10.0%よりも高かったのですが、それを達成するために年率標準偏差13.3%と、より大きなリスクをとっていました。

 

その結果、シャープレシオは投信C が「0.90」で、投信Bの「1.25」を下回りました。

リスクとリターンのバランスをグラフ上で比べると、上の図のように、投信BのほうがC よりも左に位置している(傾きが大きい)ことがわかります。

 

この傾きの値こそがシャープレシオです。

 

つまり、投信C もこの5年間の運用効率ではBに及ばず、長期保有を前提に考えるのであれば、ケース1と同様に運用効率の良い投信Bを選ぶべきということになります。

 

ただし、投信を購入する目的が短期的なマーケットの反発を期待して、ということであれば、投信C を選ぶということになるでしょう。

 

もう一つ、投信Bと同程度のシャープレシオを持つ投信Dがあった場合には、どちらを選ぶべきかを考えてみましょう。

【ケース3】 シャープレシオが同じくらいの2つの投信を比較する

新たに登場した、投信Dの過去5年間のリターンは以下の通りです。

<投信Dのリターン>

1年目  + 8%

2年目  - 1%

3年目  + 6%

4年目  + 2%

5年目  +10%

   平均リターン   +5.0%

標準偏差を計算すると、 4.0%となりました。

  ※超低金利であることから、ここでは無リスク利子率をゼロとして計算

 

 

 

投信Dは、年平均リターン5.0%、年率標準偏差4.0%、シャープレシオは「1.25」となりました。

 

シャープレシオが同じなのですから、投信Bと投信Dは運用効率がほぼ同じと考えられますが、リスク、リターンとも投信Dの方が小さくなっています。

 

つまり、投信Dは得られる収益が少ない分、値動きも比較的小さい投信といえます。

 

一方の投信Bは投信Dに比べ、調子のいいときはより大きな収益が期待できますが、悪いときにはより大きく落ち込むタイプです。

 

このような場合には、一般的には、個々の投資家が求める期待リターンとリスク許容度の2点を勘案して投信を選択することになります。

 

高めの収益を目指す人や、マーケットが上昇局面に入ると予想する人であれば投信Bを、リターンは低めでもいいからリスクを抑えて長期的にじっくり運用していこうという人なら投信Dを選ぶということになるでしょう。

 

シャープレシオを使うときの3つの注意点

シャープレシオを使って投信を評価する際には、次の3つの点に注意してください。

 

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1.同じカテゴリーに属す投信同士で比較

株式の投信と債券の投信とを比較したり、株式の中でも先進国株と新興国株の投信、といったように、属すカテゴリーが違う投信をシャープレシオで比較してもあまり意味がありません。

できれば中国株ファンドは中国株ファンド同士、日本株ファンドならばバリュー株型同士、中小型株型同士、といったように、できる限り似た投資対象や運用スタイルのファンド同士で比較するようにしましょう。

アクティブ運用の投信で良いものを探そうとする場合には、同じカテゴリーのインデックス運用の投信よりもシャープレシオが上回っているものを選ぶというのが基本と考えてください。

 

 

2.期間を変えてシャープレシオを比較しよう

シャープレシオがマイナスになる期間(リターンがマイナスで損失を被っている場合のことです)で比較してもあまり意味がないため、「1年」「5年」「10年」など、異なる期間のシャープレシオをチェックし、できるだけ長い期間にわたって他よりも数値が上回っている投信を選びましょう。

 

 

3.既存ファンドを中心に比較しよう

新しく作られたファンドにはそもそも、リスクやリターン、シャープレシオの数値など、実績を示す数字がありませんから、基本的にはシャープレシオは既存ファンドを中心に活用してください。

新ファンドを購入した場合には、1年程度が経過した時点でシャープレシオがどうなっているかを必ず確認するようにしましょう。

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