最近ゆうちょのかんぽ生命不正契約問題が話題になっていますね。
かんぽ生命が顧客に不利な保険を販売してて、かなりヤバイ感じですね…
販売員の利益のために、顧客が損失を被るように保険を解約させたり契約させたり…🐧🔥
大企業でも気をつけないと…💦
手口を勉強することで、
詐欺から身を守ろう🔥#かんぽ生命保険#かんぽ生命https://t.co/gQAelfUHRa— もふ社長@不動産投資家 (@mofmof_investor) July 12, 2019
かんぽ生命がエグいなぁ。
・認知症の高齢者に
・ほとんど同じ内容の保険を
・1年間で11件契約させて
・支払いは毎月25万円
・貯金を全部使わせ
・貸付して督促までしてたもはや詐欺やなー。苦笑https://t.co/KMpf9BHSvO
かんぽ生命を倒産させる方法 笑https://t.co/axv0M4klO5
— 両🦁自由に生きるための知恵を配信中 – リベ大学長 (@freelife_blog) July 26, 2019
いまはかんぽ生命にスポットライトが当たっていますが、これは氷山の一角で、他の金融機関でもこれからどんどん不正な契約があったことが明るみになると思います。
ポイントは、言葉巧みに同意書を書かせて便宜上同意の上で契約させているという点です。
一般の方からしたら
「こんな不正まがいなこと良くできるな」とか
「銀行員とか郵便局ってもっと顧客の立場に立った営業をしてくれるところだと思った」
などいろいろ思うところはあると思いますが、
5年間地方の銀行で預かり資産担当といって保険や投資信託を中心に外交営業をしていた自分にとって、銀行員側からの視点を踏まえていうと
正直、このような無理やりな契約に至るのも分からなくはないんですね。
なぜ地域密着型のゆうちょがこのような不正まがいな契約をしてしまうまでに至るのか
その理由について同じ金融業界で保険の営業をしていたからこそわかるその実態について包み隠さず話せたらと思います。
理由①ノルマが膨大にあるから

これはなんとなく一般の方でもわかると思いますが、銀行員はノルマ至上主義です。
ノルマを達成すれば半期のボーナス査定時、上乗せがありますが、ほとんどの銀行員は数字を上げるという達成感やお金欲しさよりもむしろ上司から怒られないようにするために数字を上げていることのほうが多いです。
私の場合は珍しく男性で預かり資産を担当していたのですが、この預かり資産を担当するのは8割以上は女性が多いんですね。
女性は窓口で顧客対応するイメージがあると思いますが、現在窓口のほとんどは入行3年目までの若手行員もしくはパートさんが担当することが多いんです。
窓口でも保険や投資信託の販売ノルマはあるのですが、外回りではそのノルマは飛躍的にあがり窓口にいたときの2、3倍以上の保険ノルマを課せられるのは当たり前で従業員が15名程度の小店であればほとんど1人で店に割り振られたノルマを達成しなければばらないような状況にあることも珍しくありませんでした。
そしてノルマは達成すれば来期に上乗せされ、また達成すれば来々期さらに上乗せされるため雪ダルマ式にノルマがどんどん増えていってしまいます。
そうなると
頭ではその保険が必要な人に販売することが大正義なのは重々承知しているのですが、それよりも目の前のノルマをいかに達成するかにフォーカスしてしまうため、
「以前契約てもらった鈴木さん、すごい優しいおばあちゃんだったな、次はこの終身保険を勧誘してみようか。」
といった風に以前行った先の契約できそうなところから手当たり次第に営業をかけるという発想に陥てしまうんですね。
そして、皮肉なことにこのノルマは真面目かつ責任感のある人ほど達成しなければならないというプレッシャーに圧し潰されてしまうため、
顧客利益<ノルマ達成
という発想になり数字上は上がっているため上司や支店長からは褒められるので、その営業は間違っていない、数字のためなら仕方ない、と思考停止してしまうんですね。
これが今回の不正契約の一番根本にあるものだと思います。

理由②優良顧客リストがあるから

保険商品という実体のない小難しい商品を売るために一番効率の良い営業方法は
「以前買って貰った先に営業をかける」
ということです。
どれだけ預金をもっていようが、銀行員に対して良いイメージをもっていようが
金融商品を買ってもらうためにはまずその面倒な説明を少なくとも30分は聞いてもらって、内容を理解してもらう必要があります。
しかし、新規顧客開拓はほとんどテレアポか飛び込みで行くのですがその説明すら聞いてもらえないことも多く、
ほとんどの人が説明を聞いてもらう前に
「間に合ってます」
「保険ならもういらない」
と話さえ聞いてもらえないことがほとんど。
そりゃ今まで少しでも脈があるところにいったほうが契約を取れる可能性が高くなりますよね。
理由③高齢者販売マニュアルの形骸化

特に金融商品取引法では適合性の原則というものがあります。
この適合性の原則とは「投資家の『知識』、『経験』、『財産の状況』、『契約を締結する目的(投資目的)』に照らして、不適当な勧誘を行って、投資家の保護に欠けることになるようなことをしてはならない」というものです。
そのため、私が以前勤めていた銀行では、
- 意向確認(こういうニーズがありますよ)を行うため意向確認書に同意の署名をしてもらう
- 上司と一緒に訪問して顧客が金融商品の内容をしっかり理解しているのか
- 高齢者の親族(こどもが相応しい)に同席してもらって説明する
以上の3段階構成で強引な販売ができないようなスキームがしっかり作られていました。
日本郵便は29日、かんぽ生命の保険販売を巡り、顧客に無断で書類を偽造するなどの保険業法に違反する契約を2018年度に少なくとも3件確認し、金融庁に報告しました。 https://t.co/UQwwsD9JKt
— 毎日新聞 (@mainichi) July 29, 2019
まとめ
もちろん全員がそのような金融マンではありませんが、契約してしまったあとでは後のまつり(保険の場合は一応クーリングオフ制度は使えます)ですので、十分その点には注意してあげてくださいね。